010絶景の宝庫和歌の浦! 〜藩主も惚れ込んだ和歌の浦の絶景〜

  • 海草

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 織田信長への謀反である「本能寺の変」の3年後となる天正13年(1585)、反対勢力がうごめく紀州攻めに出陣した豊臣秀吉。この地に新たな城を築くにあたり、和歌の浦を遊覧した秀吉が「和歌山城」と名付けたのが現在まで続く和歌山という地名の由来です。江戸時代には、徳川家康の10男・頼宣が紀州藩主となり、御三家紀州徳川家の統治が始まりました。頼宣は和歌の浦の景観の保全整備に努め、その美しさを守り続けました。そして、父家康の御霊を祀る紀州東照宮を和歌の浦・雑賀山に建立。今でも東照宮の例祭が毎年春と秋の2回行われており、家康の命日である4月17日に開催されていた「和歌祭」は、現在では毎年5月に和歌山一の大祭として賑わいを見せています。頼宣はまた、母お万の方の死後、和歌の浦の干潟に浮かぶ妹背山に多宝塔を建てて供養。そこへ渡るための三断橋をかけるなどしました。歴代の紀州藩主も和歌の浦の地形や景観美を守りました。紀三井寺を遥拝できる観海閣が妹背山に建立されました。観海閣は城下町に暮らす民衆もその利用を許可されており、多くの人々が多宝塔に詣で、紀三井寺を臨む四季折々の眺望を愛でたといいます。このように、和歌の浦はさらなる景勝地へと進化していくことになったのです。

images離れ小島の妹背山に建てられた観海閣は、まさに読んで字のごとく和歌の浦の絶景を一望できる場所。寄せては返す穏やかな波の音が心地よく響きます

images西の日光東照宮との異名をもつだけに、豪華な彫刻やふすま絵などは必見。和歌の浦のシンボル的存在です

images湯浅の石工によって作られた雲のレリーフ

images妹背山に架けられた和歌山県最古の石橋

モデルコース

  • 起点. 阪和道和歌山IC

    車で20分

  • 1. 和歌山城60分地図

    わかやまじょう

    天正13年(1585)、羽柴秀吉が弟の秀長に築城させ、元和5年(1619)に徳川家康の10男頼宣が入城、紀州55万5000石の城となりました。以降徳川御三家のひとつとして栄えました。天守閣からは2017年に日本遺産に認定された和歌の浦や、紀の川のゆるやかな流れを見渡すことができ、いかに和歌の浦が風光明媚な地であるかを実感できます。

    • 城・庭園・公園・温泉等
    住所
    和歌山市一番丁3
    電話番号
    073-422-8979(和歌山城天守閣)
    営業時間
    天守閣9:00〜17:30(最終入館17:00)※公園内見学自由
    定休日
    12月29〜31日休
    料金
    入場料=410円
    駐車場台数
    P58台

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    車で15分

  • 2. 不老橋10分地図

    ふろうばし

    「和歌祭」で徳川家や東照宮関係者が通る御成道に架けられた石橋で、10代藩主・治宝(はるとみ)の命で造られたものです。アーチ部分は肥後の石工集団が施工、勾欄部分は湯浅の石工・石屋忠兵衛の製作と推定され、雲の文様化のレリーフが見られます。

    • その他
    住所
    和歌山市和歌浦中3-1679-24地先
    電話番号
    073-435-1194(和歌山市文化振興課)
    営業時間
    見学自由
    定休日
    見学自由
    料金
    見学自由
    駐車場台数
    なし

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    徒歩ですぐ

  • 3. 三断橋5分地図

    さんだんきょう

    砂岩製高欄付きの三断橋は、慶安4年(1651)に紀州徳川家初代藩主の頼宣によって架けられた県内最古の石橋。妹背山に自由に渡ることができるよう設置。中国の西湖堤にならい、石堤の3カ所に石造橋がかけられています。

    • その他
    住所
    和歌山市和歌浦中3
    電話番号
    073-446-5553(和歌公園管理事務所)
    営業時間
    見学自由
    定休日
    見学自由
    料金
    見学自由
    駐車場台数
    なし

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    徒歩ですぐ

  • 4. 海禅院多宝塔10分地図

    かいぜんいんたほうとう

    承応2年(1653)、頼宣が母の養珠院を弔うため建設。妹背山の中腹にあり、高さ13mの総ケヤキ造り。塔内部には題目碑が置かれ、塔下の石室からは15万個以上の経石が発見されました。

    • 社寺関係
    住所
    和歌山市和歌浦中
    営業時間
    見学自由
    定休日
    見学自由
    料金
    見学自由
    駐車場台数
    なし

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    徒歩ですぐ

  • 5. 観海閣10分地図

    かんかいかく

    現在はコンクリートで再建されていますが、元は初代紀州藩主・頼宣が建てた木造の水上楼閣。東には名草山が控え、和歌の浦の水面に美しい姿を映します。ここから眺める名草山に上る仲秋の名月は、和歌の浦の絶景のひとつともいわれています。春には紀三井寺の桜も目に美しく、四季折々の風景を楽しむことができます。

    • 社寺関係
    住所
    和歌山市和歌浦中3-4
    電話番号
    073-446-5553(和歌公園管理事務所)
    営業時間
    見学自由
    定休日
    見学自由
    料金
    見学自由
    駐車場台数
    なし

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    徒歩で5分

  • 6. 紀州東照宮30分地図

    きしゅうとうしょうぐう

    元和7年(1621)、頼宣公が父家康公を祀る社として、地主神でもある和歌浦天満宮の隣に造営。社殿は権現造りで「関西の日光」とも呼ばれます。国の重要文化財にも指定されており、左甚五郎の彫刻や狩野探幽の壁画も所蔵しています。天神山に天満宮、権現山に東照宮が並び建つ様は、和歌の浦の代表的な景観のひとつです。

    • 社寺関係
    住所
    和歌山市和歌浦西2-1-20
    電話番号
    073-444-0808
    営業時間
    9:00〜17:00
    定休日
    無休
    料金
    拝観料=300円
    駐車場台数
    P60台

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    車で5分

  • 7. 大福軒(西浜店)40分地図

    だいふくけん

    和歌山ラーメンの老舗。定番の中華そばと双璧をなす人気メニューが、タルタルラーメン。豚骨ベースのクリーミーな白湯風スープは口当たりもよく、自家製麺とチャーシューなどの具との相性抜群です。

    • 飲食関係
    住所
    和歌山市西浜1136-10
    電話番号
    073-444-4901
    営業時間
    11:00〜13:45(LO13:30)、17:00〜21:45(LO21:30)、21:30以降は麺類のみ
    定休日
    月曜休(祝日の場合は翌日休)
    駐車場台数
    P4台

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    車ですぐ

  • 8. 養翠園60分地図

    ようすいえん

    10代藩主・治宝により造営された大名庭園。敷地面積は約33000㎡と広大で、松を主体に四季折々の花木が楽しめます。海水を取り入れた汐入りの池は東京の浜離宮と同じで、全国的に珍しいもの。庭園と建物は国指定名勝を受けています。

    • 城・庭園・公園・温泉等
    住所
    和歌山市西浜1164
    電話番号
    073-444-1430
    営業時間
    9:00〜17:00、元日のみ11:00〜17:00
    定休日
    無休
    料金
    入園料=600円
    駐車場台数
    P60台

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    車で7分

  • 9. 純喫茶リエール30分地図

    じゅんきっさリエール

    奠供山(てんぐやま)そばに佇むレトロカフェ。陸奥宗光の従兄弟で第2代農林大臣・岡崎邦輔の別荘だった明治時代の木造建築の一部を改装したノスタルジーな空間で優雅なティータイムが過ごせます。一番人気はこだわりのワッフル各種400円〜。和洋6種類の惣菜が楽しめる「9マス和歌の浦モーニング」も好評です。

    • 飲食関係
    住所
    和歌山市和歌浦中3-5-5
    電話番号
    073-499-8698
    営業時間
    10:00〜16:00
    定休日
    火曜休
    駐車場台数
    P20台

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    車で60分

  • 終点. 阪和道和歌山IC

秘話

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    秘話 1和歌の浦へ寄せた先人たちの熱き想い

    和歌の浦一帯の風景が長い間守られてきたのは、この地を愛した先人たちのたゆまぬ努力にほかなりません。権現山(ごんげんやま)に紀州東照宮を創建した紀州藩主頼宣もその一人。徳川家の歴史書『南紀徳川史』にも和歌の浦を埋め立てての新田開発計画にも反対し、景観を守りました。

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    秘話 2日本初の民兵組織「法福寺隊」を組織した文武両道の学僧豪傑 北畠道龍地図

    北畠講法学舎(明治大学の前身ともいわれる)を設立し校主となった北畠道龍は、和歌浦の法福寺に生まれ、幼少の頃から学問や武芸に秀でていました。道龍は、国を守るのは武士だけではなく、農民や町人なども武器を取るべきと考え、万延元年(1860)に、有志者を募った日本初の民兵組織「法福寺隊」を結成しました。法福寺隊は、文久3年(1863)の天誅組の変や、慶応元年(1865)の第二次長州戦争で大きな功績をあげました。明治2年(1869)に紀州藩は法福寺隊から学んで四民皆兵の徴兵制を採用し、道龍は全国で初めての徴兵検査にも尽力しています。身分を越えた新しい組織は、新しい時代の到来を告げていたのです。

    住所
    和歌山市和歌浦中2-12-16
    電話番号
    073-445-1067
    営業時間
    見学自由
    定休日
    見学自由
    料金
    見学自由
    駐車場台数
    P2台
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    秘話 3和歌山が生んだ「現今日本十傑」とは?地図

    北畠道龍は、本願寺の僧侶で、宗門の改革を試みるとともに、日本人として初めてインドのムンバイにある「仏跡」の巡礼に成功するなど、様々な活躍をします。特に、明治9年(1876)、矢代操とともに、東京に北畠講法学舎を開設し、弁護士養成に尽力します。矢代はこの経験から、明治14年(1881)に後に明治大学となる明治法律学校創立者の一人となります。明治18年(1885)、「今日新聞」が「現今日本十傑」を募集し各界の1位を選んだ際には、政治家では伊藤博文、著述家では福沢諭吉、そして法家では北畠道龍が1位となるなど、高く評価されました。

    住所
    和歌山市和歌浦中2-12-16
    電話番号
    073-445-1067
    営業時間
    見学自由
    定休日
    見学自由
    料金
    見学自由
    駐車場台数
    P2台

インスタ
映え

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    インスタ映え 1歩いて数分でたどり着く絶景ポイント地図

    塩竃神社の背後にあたる「鏡山」は、玉津島神社駐車場横の石段から登ります。頂上から片男波方面の眺めは時間によって色が異なる絶景。和歌山マリーナシティの観覧車も見渡せます。眼下には不老橋やあしべ橋も。

    住所
    和歌山市和歌浦
    電話番号
    なし
    営業時間
    見学自由
    定休日
    見学自由
    料金
    見学自由
    駐車場台数
    なし

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